世界のサッカーを、ひとつの物差しで。更新日 28月2026日 · 2026年10月25日までの試合結果
🌐 日本語
The Beaumont IndexFOOTBALL, MEASURED PROPERLY
スカウティングレポート · 移籍の噂

ダヴィド・ラウムはマンチェスター・ユナイテッドへ移籍すべきか?データが語る真実

今週末の報道によれば、ライプツィヒの主将がユナイテッドの1月補強における最優先ターゲットに浮上した。過去6シーズンのデータをもとに、彼の実力は安定したものか一時的な好調に過ぎないのか、キャリックの4-2-3-1にどう適合するのか、そして獲得に潜むリスクを検証する。

著者: クリス・ボーモント · ・読了目安 6分
更新日:28月2026日 · データ対象:25月2026日まで 選手比較の手法について
メインチャート:ダヴィド・ラウムはマンチェスター・ユナイテッドにフィットするか? データが示す真実

本稿のレーティングおよび世界ランキングは、2026年10月25日のランキング更新前のデータに基づいています。最新の数値は各クラブの個別ページでご確認いただけます。

結論から言えばダヴィド・ラウムは、2021-22シーズン以降の6シーズンすべてにおいて、アシスト期待値(xA)でブンデスリーガのサイドバック上位4%に入り続けている。一発屋ではなく、計算の立つチャンスメイカーだ。ユナイテッドの4-2-3-1にも自然とフィットするだろう。リスクは守備面にあり、デュエルのスタッツにムラがある。我々の評価:適性は非常に高いが、一定のリスクを伴う。

マンチェスター・ユナイテッドは左サイドバックを求めており、今週末の報道によればそのターゲットが定まったという。RBライプツィヒのキャプテン、ダヴィド・ラウムが1月の移籍市場における最優先ターゲットと報じられている。選手本人も移籍に前向きであり、ユヴェントスも関心を示していること、そして現行契約が2027年6月末で切れるため、ライプツィヒが3000万ポンド前後の移籍金に応じる可能性があると伝えられている。これらの報道の真偽は我々には分からない。だが我々がお伝えできるのは、ユナイテッドが獲得しようとしているのがいかなる選手なのか、そのスタッツが一過性のものかそれとも実力か、そしてユナイテッドのプレースタイルにどうフィットするかだ。

手短に言えば、ラウムは欧州フットボール界のサイドバックの中でも、最も安定してチャンスを創出できる一人だ。だが詳しく見ていくと落とし穴もある。それは守備面にある。

6シーズン続く、確固たる習慣

まずは攻撃的サイドバックにとって最も重要な指標、すなわちアシスト期待値(xA)から見ていこう。これは味方がフィニッシュを決めたかどうかにかかわらず、創出したチャンスの質を測るものだ。過去6シーズン(ホッフェンハイムでのラストシーズンとライプツィヒでの5シーズン)それぞれで規定の出場時間を満たしたブンデスリーガの全サイドバックを対象にラウムを順位付けした。そのパーセンタイル値は99、97、96、97、98、そしてサンプル数の少ない今季も99となっている。彼は2021-22シーズン以降、毎シーズン例外なく同リーグのサイドバック上位4%に入り続けているのだ。

ダヴィド・ラウム シーズン別チャンス創出・守備指標パーセンタイルヒートマップ
各シーズンのブンデスリーガSB内でのパーセンタイル(リーグ戦出場900分以上、2026-27シーズンは270分以上)。緑色ほど優秀。上段ブロックがチャンス創出、下段ブロックが守備。

これこそが本レポートで最も重要な事実だ。なぜなら、あらゆる移籍において真っ先に問われるべき問いへの答えになるからだ。すなわち、「これは一過性の跳ね上がりなのか、それとも再現性のある実力なのか?」。答えは実力だ。1シーズンだけクロスの精度が神がかり、アシスト数が急増するサイドバックはいくらでもいる。しかしラウムは2つのクラブで、複数の指揮官の下、チームが好調なシーズンでも平凡なシーズンでもこれを継続してきた。フルシーズンを戦った過去5シーズンで、約46点分の創出チャンスからリーグ通算33アシストを記録している。チャンスの質からすればアシスト数はむしろ少なく、味方の決定力不足によって過小評価されているとすら言える。この実績は決して運の産物ではない。

また、彼は単なるクロッサーにとどまらない。昨季はボールを有意義に前進させるパスである「プログレッシブパス」でブンデスリーガのサイドバック中98パーセンタイル、ショットアシスト数でも98パーセンタイルを記録した。さらにライプツィヒ加入後の3シーズンは13〜24パーセンタイルにとどまっていたクロス成功率が、昨季は91パーセンタイルへと急上昇した。これこそが彼のプロファイルにおける最も興味深い変化だ。もともと供給量は豊富だったが、昨季はボールの質・精度そのものが格段に洗練されたのだ。

ラウムの90分あたりアシスト期待値(xA)推移ラインチャート(ブンデスリーガSB中央値〜上位10%帯との比較)
シーズン別90分あたりのアシスト期待値(xA)と実際のアシスト数(ブンデスリーガSBの中央値と上位10%の帯との比較)。2026-27シーズンは6試合分。

今季のサンプル数はまだ小さい。リーグ戦6試合で549分、つまりライプツィヒが戦ったほぼ全時間に出場している。だが傾向は変わらない。90分あたり3.44回のショットアシストを記録しており、これは270分以上出場したブンデスリーガの全サイドバック中最高の数値だ。プログレッシブパスでも再び99パーセンタイルに位置している。まだ今季のアシストは記録されていないが、創出しているチャンスの質を見れば、無アシストが続くことはないとわかる。

落とし穴:デュエル

ここからは、手放しには褒められない部分だ。ラウムの守備スタッツは、攻撃クリエイションのスタッツに比べてかなり波が大きい。守備デュエル勝率のパーセンタイルはフルシーズンの5年間で50、75、41、58、17と推移し、今季は26にとどまる。空中戦デュエルでも80パーセンタイルを超えたことは一度もなく、大半が平均付近かそれ以下に沈んでいる。

クロス成功率は、ライプツィヒでの最初の3シーズンにおける13〜24パーセンタイルから、91パーセンタイルへと跳ね上がった。

ただし、これには補足が必要だ。昨季の彼は大半のサイドバックを上回る守備アクション成功数を記録しており、インターセプトでは94パーセンタイルに位置していた。決して守備で消極的なわけではない。試合の流れを読み、前に出てボールを奪う力はある。課題は、ウインガーに仕掛けられた1対1で必ずしも勝てない点だ。ブンデスリーガではこれでも致命傷にはならないかもしれない。だが、よりスピードがあり、毎週のように仕掛けてくる右ウインガーが揃うプレミアリーグでは、容赦なく試されることになるだろう。

2025-26ブンデスリーガSB散布図:アシスト期待値 vs 守備アクション(ラウムを強調表示)
2025-26シーズンのブンデスリーガで900分以上出場した全サイドバック(n=27)。破線は中央値を示す。ラウムは右上に位置しているが、守備軸に関しては辛うじて平均を上回る程度にとどまる。

ユナイテッドにどうフィットするか

ユナイテッドは今季のリーグ戦7試合中6試合で4-2-3-1を採用している。これは極めて重要だ。なぜなら、ラウムが最も熟知している布陣だからである。我々のマッチデータによれば、ライプツィヒは昨季のリーグ戦27試合中21試合で4-3-3を採用しており、ラウムは内側に絞る左ウイングの外側をオーバーラップするサイドバックとしてプレーしていた。ユナイテッドの4-2-3-1でも、左サイドのアタッカーが中央に侵入する一方で、左サイドバックには幅を取ることが求められる。本質的に、彼がすでにこなしている役割そのものなのだ。

より大きな疑問は、彼が誰の代わりを務めるのかという点だ。ルーク・ショーの今季リーグ戦出場時間は352分にとどまる。380分のパトリック・ドルグは、当社のデータ上ではサイドバック(SB)というよりウイングに近い扱いであり、404分のヌサイル・マズラウィは本職が右SBで左もこなせるという立ち位置だ。今季プレミアリーグのSBと比較すると、ショーのアシスト期待値(xA)は87パーセンタイルと優秀な水準にある。ドルグは95パーセンタイルだが、プログレッシブパスは16パーセンタイルと低い。つまりパスではなく推進力のあるドリブルでチャンスを創出している。マズラウィはxAが14パーセンタイル。彼は堅実な繋ぎ役であり、チャンスクリエイターではない。

ラウムとユナイテッドの左SB候補3名のパーセンタイル比較棒グラフ
各選手が所属リーグのSBと比較された数値。ラウムのデータは2025-26シーズンのブンデスリーガ通算。ユナイテッドの選手陣は今季プレミアリーグでの270分以上の出場データに基づいており、サンプルサイズとしては小さい。

このチャートを見る際には注意が必要だ。ラウムのパーセンタイルはブンデスリーガのSBを基準としたもの。一方、ユナイテッドの選手陣はプレミアリーグのSBが基準であり、当社のモデルではプレミアリーグの平均的なクラブはブンデスリーガの平均よりレーティングで約145ポイント高いと評価されている。ドイツで98パーセンタイルに位置するクリエイターが、イングランドでも自動的に98パーセンタイルの数値を残せるわけではない。だが重要なのはそのプレースタイルだ。ラウムはドルグのようなチャンス創出力に加え、今季ユナイテッドのどの選択肢も示せていないパスレンジの広さを兼ね備えている。

チーム状況も考慮すべきだ。当社のレーティングでユナイテッドはプレミアリーグ4位、世界全体でも8位(1671ポイント)に位置しているが、1試合あたり期待値で1.67相当のパフォーマンスを見せながら、実際には1.00ポイントしか獲得できていない。これは期待獲得勝ち点(xPTS)を4.7ポイントも下回っており、基盤となる実力は順位表以上に優れていることを示している。相手を押し込んだ状態からチャンスを生み出せる左SBは、こうしたチームが好内容を結果へと結びつけるために、まさにうってつけの補強と言える。

彼がもたらすもの:端的な整理

主なポイントは3点ある。第1に、左サイドからの確実なチャンス供給。クロス、マイナスの折り返し、プログレッシブパスを6シーズン連続でコンスタントに供給し続けている。第2に、経験値。28歳でライプツィヒのキャプテンを務め、ドイツ代表でもあるため、育成目的のプロジェクトではなく即戦力だ。第3に、左利きの本職レフトバックであること。ショーの離脱時にユナイテッドが幾度となく欠いてきた要素だ。

そして3つのリスク。第1に対人守備の数値。ハイレベルな右ウイング相手には突破を許しやすいことを示唆している。第2に、当社のモデルが格下と評価するリーグから、最も過酷なリーグへのステップアップである点。第3に年齢。28歳はSBとしてのピークだが、長期的な補強というよりは、今後3シーズンを見据えた短期集中型の契約として捉えるのが最も理にかなっている。

結論

戦術的適合度:高。リスク:中。 チャンス創出の面において、ラウムはSBとしてこれ以上ないほど計算の立つ存在だ。ブンデスリーガのSB上位4%に入るxAを6シーズン維持しているのは決して偶然ではなく、ユナイテッドの4-2-3-1への戦術的フィットも極めて自然だ。懸念は守備面にある。チャンネル(DF間のスペース)をカバーする左CBやスライドしてスペースを埋めるボランチによって彼をプロテクトするか、相手からターゲットにされるリスクを受け入れる必要がある。契約残り半年を迎える選手として報じられている移籍金が妥当な範囲であるならば、理にかなった取引と言える。大きな長期契約のリスクを負うことなく、積年の課題であったポジションに経験豊富なワールドクラスのクリエイターを加えることができる。

評価を見直す要因はあるか? 1月の移籍市場までに注視すべきポイントは2つ。より多くのサンプルを重ねてもデュエル勝率が下位3分の1に留まるようであれば、守備面への懸念は確信に変わる。また、ライプツィヒ全体のチャンス創出数が落ち込んだ際、それがラウム個人の問題なのかチーム全体の問題なのかを見極める必要がある。現時点のデータを見る限り、ユナイテッドは極めて現実的で賢明なターゲットを選んだと言える。

FAQ

マンチェスター・ユナイテッドはダヴィド・ラウムを獲得するのか?

今週末の報道によると、ラウムはユナイテッドにとって1月の左SB補強の最優先ターゲットであり、選手本人も移籍に前向きとされている。現時点で合意には至っておらず、ユヴェントスも関心を示していると報じられている。当社が分析するのは選手個人のクオリティであり、移籍交渉そのものではない。

ダヴィド・ラウムは一発屋の選手なのか?

偶然ではない。彼はホッフェンハイムとライプツィヒに所属した2021-22シーズン以降、ブンデスリーガのSBとして毎シーズンxAで上位4%以内に入り続けている。これは欧州屈指のSBクリエイターとしての安定感を示すデータだ。

ダヴィド・ラウムの弱点はどこにあるのか?

1対1の対人守備だ。過去5シーズンのフルデータにおいて、守備時のデュエル勝率のパーセンタイルは17から75まで大きくばらつきがあり、空中戦も決して強くない。一方でゲームの読みは優れており、昨季のインターセプト数は94パーセンタイルを記録している。